攻略JKJOルール

先日、JKJOのルールで10年以上ぶりにフルコンタクト空手の試合にでました。
その時に思った事、感じた事を書きたいと思います。

まず、JKJO(全日本空手審判機構とは何かといいますと、フルコンタクト空手のルール統一と審判公平性を求めて作られた協会です。そして、全日本フルコンタクト空手道連盟JFKO)とセットになっていると思ってよいと思います。
この両団体の目的はフルコンタクト空手の公式競技化とオリンピック種目としての認定です。

残念ながらオリンピック種目としての認定はいわゆる伝統派空手に負けてしまい、認定とはならず残念な事になってしまいましたが、かねてより審判制度と判定に問題があったフルコンタクト空手界の改善を意図して作られました。

協会の発足は2003年と意外と古く、小学生を始めとして高校生くらいまでの大会においては規模と質において、現在のフルコンタクト空手会においては最高峰の大会を開催しているといえます。

私が現役の時にはなかった団体とルールのため、現在進行形で対応に苦慮している最中です。このJKJOのルールを統一ルールとして、それ以前のルールを旧ルールとして、以後は認識してもらえればと思います。


では、旧ルールと統一ルールで何が大きく違うかというと
手による押しが制限される事です。
これはフルコンタクト空手の競技としての質を変えるくらいの大きな変更です。
旧ルールについては各団体ごとに違いがありましたが、競技を行ううえでの肌感覚についてはそこまで差がありませんでした。

統一ルールについては大きく違います。少なくとも旧ルールに馴染んだ人間が対策をせずに試合にでると、すぐに反則負けになるくらいです。

大会全体を見渡した時に試合の内容は以下のように変わっていました。
・ローキックの頻度が減り、パンチの頻度が上がった。
・パンチのハンドスピードがあがり、手数が増えた。
・押しが禁止されているため選手同士が胸を合わせる状態が頻繁に見られた。
・ローキックなどの蹴りの技術については後退したように感じる。
・掴みについてはほとんど見られなくなっていた。
・審判員の流派がバラバラのため、審判のレベルが低いというか見解が統一されていない場合があり、急に試合にストップがかかる事がある。

押しがOKの旧ルールでは脇をしめて手を前において、相手の攻撃にあわせて、押して防御するという手段が使えていました。統一ルールではこの行為は反則となります。
そのため、相手をおして、崩して蹴るという事ができなくなっています。ローキックの頻度が減ったのはそのためだと思います。旧ルールでは相手の攻撃や動き始めににあわせて片手、両手で押してからの攻撃は定石でしたが統一ルールでは禁止行為となり反則をとられます。
これに伴い、押し気味で打つパンチが押しと判定される事が多く、近距離での胸元へのノーモーションのパンチなどが反則と認定される事もあります。

その反面、旧ルールで見られていた、相手を思わず掴んでしまうという行為はほとんど見られなくなっていました。

・審判員の流派がバラバラのため、審判のレベルが低いというか見解が統一されていない場合があり、急に試合にストップがかかる事がある。
上記については統一ルールの仕組みから必然的に発生する問題で、わかりやすくかけば審判員のレベルが低いとも言えます。ただし、これは複数の流派の審判が存在するために生じる運用上の問題ともいえます。
試合にでる選手レベルに落とし込むと審判により判定の基準が大きくちがうので注意してねとなります。といいますのも試合自体が審判員の試験や経験を積むためのものでもあるためです。

統一的な審判機構ができて歴史が長い柔道や剣道ではあまり見られない問題です。とはいってもあれだけ歴史がながい柔道、剣道でもルール改正後は誤診が発生するので、勝つためには判定にて問題が発生する前提で試合に臨む必要があると思います。


では、旧ルールに馴染んた人間が統一ルールに臨むうえでどのような事に注意したらよいかを書いていきたいと思います。
まず、パンチが伸び切って届く中間距離及びそこから離れた遠距離についてですがこちらについては旧ルールと同じ感覚でいけます。押し気味で突きを打ったしてもスペースがあり、ハンドスピードがでやすい、肩を入れれるので拳を引いたりコンビネーションにいけるので押しとは取られにくいです。

ちなみに私は旧ルールでは左ミドル、左ハイ、左のかけ蹴りが打てる事もあり蹴り主体で戦う選手でした。パンチはノーモーションで打つ縦拳を好んで使っていました。

腕を伸ばしてパンチを打てない近距離及び胸を合わせるような超近距離についてはかなり注意が必要です。
特に私の場合は旧ルールにおいては脇をしめて手を前において、相手の接近、攻撃を押して止めるような組手をしていましたので大会前での練習においても押しを指摘されていました。

この近距離及び超近距離のために私が準備した技はレバーブローでした。
現役の時はあまり得意な技ではなかったのですが・・・自分が押せないという事は相手も押せないという事なので以外とすんなり覚える、使えるようになりましたし、試合でも有効でした。
ちなみに覚える、使えれるようになるコツとしては、縦拳で打つか、横拳で打つかの選択です。このレバーブローは肩、肘、手首に負担がかかる技で現役の時は横拳で打っていた関係でどうしても上手く打つ事ができませんでした。
これを縦拳に変えたところ非常にスムーズに覚える事ができました。

ただし、縦か横かについてはその個人の特性で決まります。
ようは私は縦拳のレバーブローがあっていただけで、万人に通じる答えではないです。人によっては縦と横の中間がよい場合もあると思います。
また、相手が押してこないので左の膝蹴りが打ちやすいです。

ただ、対策が十分であったかというNGでした。レバーブローも左の膝蹴りも急所に効かして倒す系の技です。近距離、超近距離から相手の重心を突いて押しかえす手業が必要でした。
まあ、ルールの特性の理解についてはやってみないとわからない面が大きいので仕方がない事といえばそうなのですが・・・

次の試合へ向けての対策として重心を打つ技として
下打ちの逆verのような打ち方のショートのストレートパンチ。
鳩尾から下への縦拳を下方向から打つ連打を覚えていきたいと思っています。

下打ちの逆verのストレートとはどういうものかというと、下打ちは腕を上から下へ回しながらうちます。これを腕を下から上へ回して下打ちの逆動作でストレートパンチを打ちます。統一ルールの性質上、結果として押す事になったとしてもハンドスピードがでている場合は反則になりにくいです。
逆に近距離でショートのパンチをノーモーションで打った場合はキッチリ打てても押しと認定される場合があります。
そのため審判のレベル、見解のバラツキを想定した打ち方です。

鳩尾から下への縦拳の連打についてはルールの特性上、鳩尾から上である胸を押せば反則となりますが鳩尾から下については押しても反則にならない事を利用しています。といいますのも人間からだの構造の問題で下打ちなどは打ち抜く事しかできない、押しの判定は相手の上半身みて行うためです。
そして、鳩尾から下で縦拳で連打をいれると、必然的に水平及び打ち上げるような打ち方になります。
実際に下打ちの連打で相手を下げる行為を行っている選手がいましたが、反則は取られていませんでした。

ここからは見解や個人の特性によって分かれると思うのですが、統一ルールで組手を覚えた人間はパンチのハンドスピードが早くと連打に優れています。ですので最初からハンドスピードと連打で勝負しても統一ルール育ちには勝てないと思います。
単打で効かす技を覚えてから連打の覚えるのが効率的ではないかと思っています。

ちなみにプロジェクトハイキックJKJOの試合のためにでるために、やっていたと言ってもよいです。筋力が上手くついたためか状態を倒さずに何時の間にかハイキックを蹴れるようになっていましたw

でわ、この辺で♪