2大アウトローアニメ

今日はアウトローアニメについて科学的遊戯(SF)してみたいと思います。

これなかなか難しいジャンルなんですよね。
ダークヒーローものとかクライムムービーみたいな感じだと、わりと2番煎じがでて、それなりにブームになるのですが、アウトローものについてはヒット作品がでても2番煎じがこける事が多いと思います。

後述しますが私がみたかぎりで良いなと思ったアウトローアニメはカウボーイビバップブラックラグーンです。この二つは非常に魅力的な作品です。カウボーイビバップについては海外にも根付いよりファンがいるとの事なので、アウトローものとしてはひとつの完成刑ではないかと思っています。

そもそも、アウトローモノとはどういう作品なのでしょうか?
アウトローという言葉の意味は無法者、法の外にいる人間を指します。
では彼らが悪人かというと必ずしもそうではないと思います。

現代の日本においてはアウトローに該当する人はヤクザ、半グレなどで彼らは悪人と言えると思いますが・・・私は彼らが必ずしもアウトローとはいえないと思います。
というのも彼らは日本の社会システム、秩序の中にいる人間だからです。
これが海外からのマフィアとなると半々くらいな感じでしょうか?

ヤクザやマフィアについては彼ら独自の社会システムを構築していますし、基本的には営利集団で営利を現行の社会に寄生したり、抜け穴を利用して得ているためです。

むしろ、いわゆる不法滞在者やホームレスと呼ばれる人々の方がアウトロー度が高いように感じます。
広義の意味でのアウトローとは社会システム、法律下で生きる事を拒否したり、せざるを得ない人間、独自のルールを持つ人間とも言えますので、必ずしも間違っていないと思います。
ナナメに拡大解釈すると引籠りの方や昔でいう隠者や仙人もアウトローと言えます。

上記に書いた方々は悪人で犯罪者かと言われると、必ずしもそうではないと言えます。現行の社会から遠いところでやっている分には確実に悪人ではないですし、犯罪者でもないです。

これらを加味した上でアウトローモノと言われる作品の核になるべきモノは何かいうと・・・私はキャラクター自己破滅性から生じる疾走感だと思います。
ようするに、このままいったらどうなるんだろうという感覚です。そして、それは停止=死という残酷な構図よりさらに加速されます。というか加速させないとアウトローものして成立しないと思います。
そのためアウトローものというのは舞台装置としての、その世界の社会システムを上手く描く必要があり、それがなかなか難しいため2番煎じが作りにくいジャンルであると思っています。



では、私がお勧めするアウトローアニメは何かというとカウボーイ・ビバップブラックラグーンです。作品には賞味期限があります。あまりにも古い作品というのは絵が汚いとか、その時の社会情勢やシステムが現代と変わりすぎて矛盾がでてきているという問題でてきます。
この二つの作品は新しいとはいえないですがそれを保持しています。


さて、どんな作品かというと

カウボーイ・ビバップ
世界感:現代よりちょっとの未来、人々はゲートという新しい技術を中途半端に得て、生存範囲を中途半端に広げ、中途半端に戦争をして、中途半端に無政府状態な世界のオンボロ船「ビバップ」号に所属する賞金稼ぎの物語

スパイク:男性で長身痩躯にて頭はモジャモジャな本編の主人公。元マフィア兼自治組織の幹部で非常に暴力的な男。何かあれば息を吐くように暴力繰り出す。賞金稼ぎにおいても、犯人への暴行、過剰な器物破損を繰り返している。
瞬間湯沸かし器のごとく暴力をふるう、はた迷惑な男である。その反面、殺人のスイッチはあまり入らず、トラブルが発生したからと言ってすぐに人を殺す事はない。
人情にも厚いし、元マフィアの部下から尊敬されている。ビバップの世界では温厚で義理難い人間扱いだが、現代の日本人からみるとすさまじく暴力的で無軌道な死にたがりと言わざるえない人物です。

ジェット:スパイクの相棒で元刑事の禿で筋骨隆々な巨漢。同僚に裏切られたり、恋人が寝取られる、腕を吹き飛ばされるなど、暗めの刑事モノで良くある設定を凝縮したような過去を持ちます。彼はビバップ」号の船長で賞金稼ぎとして暮らしていますが、そのスタンスは引籠りやホームレスに近い状態です。
この世界の犯罪者というのはタチが悪いのが多いせいか、犯罪者が死ぬ、巻き込まれて死ぬ、一般人が巻き込まれて死ぬという事に感傷を持たないサイコパスな面というか、優秀な刑事であったがゆえに擦り切れてしまった感がある人物です。
ちなみに女子力が極めた高く、ヒモ男スパイクを始め他のメンバーを飼っているような状態です。

カウボーイ・ビバップの作品の魅力は主人公であるスパイク・スピーゲルの魅力によるところが大きいです。この人物はとにかく見ていてハラハラします。ほんのちょっとした事でも簡単に命をかけてモノ事を進める男の中の男です。
まさしく「こいつ何時か絶対に死ぬぞ」という事を体現したかのようなキャラクターで最終回では「愛」を清算するための壮絶な戦いの後に死んでしまいます。

この伏線は全26話中の最初のころから張られて最終話の前あたりからの物語の加速感はすさまじいモノがあります。ビバップチームはスパイクとジェットの他に2名を加えた4名体制にあるものの解散しジェット1名となるという物悲しいラストになっています。

一般的な感覚でいえばバットエンドですが、アウトローモノとしてみた場合は比較的グッドエンドの部類にはいると思います。意味もなく死亡とかアウトローモノは多いですからね。

ちなみに作中に流れる音楽は非常に良く、OP、EDの出来が恐ろしくよいです。


うってかわってこちらは現実世界のロアナプラという町をメインとした物語。ロアナプラはありとあらゆる悪徳が集まり、人間のゴミタメのような町です。ちなみにタイのとある場所にあるという設定で南国です。作られた時期が古いため携帯がガラケーですw
ここらあたりのミスマッチが酷くなると作品としての賞味期限が終わってしまいますが、ギリギリ保持できています。

ロック:商社で働いている日本人でとある事件に巻き込まれるまでは普通の日本人をやっていました。東南アジアへの出張中に軍事機密に関するトラブルに巻き込まれて、セットで誘拐され、トラブルは解決したものの、何処かが壊れてしまい自分を誘拐したラグーン照会に所属する事となります。
悪徳の町、ロアナプラにてあえて銃=暴力を直接行使しないというスタイルで通していきます。そして、話が進む事に悪党度、下種度が上がっていく珍しいタイプのキャラです。
作中はよく誘拐され逆ヒロイン状態というのも面白いです。

レビィ:中国系の2丁拳銃を扱いガンマンでとにかく暴力的である。何かあるとすぐに発砲し良心のかけらもなくSATUGAIスキル発揮します。
本人は絶対否定しますが周りからみるとロックに一目ぼれしたようで、自称ツンデレのはたからみたらデレデレ状態です。まあ、上記に書いたようにかなりの危険人物であり、ロックは何かと酷い目にあいます。

ブラックラグーンの魅力は何かというと会話にあります。特にアニメ化され人間の声にて会話が行われる。映像という補助が付く事によりその魅力が引き出されていきます。
下種な煽り文句や民度低いブラックジョーク、自己中心的で主張、論理感がぶっ壊れた正論などがこれでもかと繰り返されます。

ただ、この作品が特殊というか変わっているのが、人がごみキレみたいに、死ぬ、傷つけられる町での話の癖に、物語の中核が「愛」なんですよね。
ロックとレビィが恋人関係にあるのか?肉体関係にあるのか?どのような日常を送っているのか?などなどは一切あかされないまま、何かあるたびにイチャイチャします。
レビィさんに関しては汚い口調でかなり乙女志向なセリフをボンボンと吐いてくれてます。完全に痛い子状態ですが、自らを死人というくらい壊れた子なので誰もツッコミをいれません。(いれれません。)

幾つかシナリオがあるのですが、その推進力にも「愛」が使われています。ただ、まあ・・・こういう作品なので一般的な愛ではありませんw。また、実際に作品を見た人から、ちなみに、それは「愛」じゃねーよというクレームは受けつけていませんw
血と臓物がぶちまかれる事が多いのでグロ耐性注意です。

アニメのTVシリーズの終盤にてこのはた迷惑なカップルは日本へ行きます。私はこのシナリオが好きです。というのもレビィさんの痛い子状態がロアナプラという枠が取り払われた事により加速するためです。
最近、あらためて見たのですが二人で逃亡して日本で家庭を作りそうそうな勢いです。そしてエンディングでいきなり2人の子供がでてきても違和感がないぐらいです。
まあ、最終的には血と臓物になるのがブラックラグーンですがw


後はそうですね・・・賞味期限が切れてしまったアウトロー作品としては装甲騎兵ボトムズです。こちらは絵柄があまりにも古い。全51話とあまりにも長すぎる事もあり、今の世代にの感覚からズレすぎている感が強いです。
ちなみに内容は不屈というが酷い目にあうが死なない男:キリコ・キュービーが主人公でやはり物語の推進力は「愛」ですw、そしてロボット物です。そして、ラストはヒロインと共に二人で冷凍保存されるという、とんでもない終わり方です。
ただ、この冷凍保存は既存社会からの逃亡ともとれると思います。ボトムズアウトロー作品かどうかの判断は難しい面はありますが、主人公とヒロインは既存の社会システムの中では生きていく事ができない、そういう風にされる存在であるというのは間違いないと思います。
ちないに続編についてはキリコの超人性を売りにしだしため、アウトローモノとはいえない状態です。

どういうわけかアウトローモノは「愛」を絡めないとだめみたいですね。ボニー&クライドも愛ですしねw

それではこの辺で終了します。